藤ノ樹2020年6月11日読了時間: 18分第一章⑥ラパンとテンソは他の仲間が戦っている戦場まで駆け抜ける。2人もかなり限界が来ており、お互いにもうほぼ戦えない状況に陥っていることは分かっていた。下手をしたら先の3人の方がまだ戦力になるくらいには体力の限界なのだ。足手まといになるのは重々承知、だがそれでも彼らは仲間の元へと向...
藤ノ樹2020年3月12日読了時間: 24分第一章⑤「まずは先手必勝…!【天蠍宮】【金牛宮】」 ざっと駆け出し、左手を強化した蠍の針に変化させてグールたちに一気に近づくと、一番後ろにいたグールの脳天めがけてその左腕をふるう。するとその針は見事に貫通して一体のグールの命を途絶えさせた。...
藤ノ樹2020年2月18日読了時間: 15分第一章④「…なぜこれだけの軍勢に対してそれだけ奮闘出来るのですか?あなたたちはBランク帯のはずでは?」 クリフの言う通りロワーブたちは100体あまりいる敵の有象無象に対して善戦している。決して優位に立てているわけではないが、前線は決して後退せず維持を続けている。カトナーの広範囲の...
藤ノ樹2020年1月27日読了時間: 19分第一章③「ワオォォォォォォォォォォォォン!」 銀狼の遠吠えが狭い戦場に反響する。その声はグール全体に響き、彼らの注目がロワーブの一点に集中する。そしてそれらは彼に我先にと殺到しだした。 「スキル展開!【二枚舌】!詠唱を開始します!」...
藤ノ樹2020年1月27日読了時間: 18分第一章②「ようこそ、オルコ村へ。こんな辺境からの依頼にわざわざ応じていただいて恐れ入ります。」 村長の家に訪れると開口一番、いや邂逅一番ロワーブたち5人パーティはそう声を掛けられた。思っていたより若い村長で、30代くらいの男である。陰気で目つきが悪く長い髪を整えずぼさぼさに伸ばし...
藤ノ樹2020年1月27日読了時間: 17分第一章①朝露が静かに街路樹を濡らし、薄っすらと建物にかかる霧によりどこかこの街が異世界に誘い込まれたように感じさせる。まだ大分朝早いせいもありロワーブ以外のヒトの気配は見受けられない。コツリと石畳を踏みしめ朝の匂いを肺いっぱいに吸い込むと、風を切ってダッと駆け出す。朝の鍛錬は彼の日...
藤ノ樹2020年1月27日読了時間: 11分プロローグこの国はかつて小さな小さな荒れた島でした。そこで哀れに思った神様が一粒の種をこの島に埋めたのです。その種は見る見るうちに大きくなり、大地を海から引き揚げていきました。そしてその樹の幹から流れ落ちた泉の水が川となり、落ちた木の実が人の命と変わり世界に広がったのです。その後神様...